眼施・和顔施

“すべての関係は命と命のエネルギー交換であり、循環である” と敬愛する和尚さんが仰っていました。その和尚さんから学んだお話をシェアしたいと思います。

仏教では人間関係を円滑にする秘訣として、四摂法(ししょうほう)というものがあり、そのうちのひとつがお布施というのだそうです。

布施とは「布を施す」と書き、古代インドでは綺麗な布は財宝や財産のような高価なものとして扱われていました。そこから、布施というのは自分にとって価値あるものを見返りを求めずに人様に施す、というのが本来の意味であるそうですが、お金や財産がなくても、何も持っていなくても出来る素晴らしいお布施があり、それを”無財の七施”というのだとか。

どんなに不器用であっても、寝たきりであっても、お金はなくても、相手が抱えている課題解決になることができなくても、できること。
それが無財の七施。

無財の七施
眼施(がんせ)...温かく優しい眼差しを常に人に対しておくること
和顔施(わがんせ)...穏やかでにこにこした顔をしている
言辞施(ごんじせ)...短い言葉でも心のこもった言葉、愛情のこもった言葉を発すること。また、間違った行いを叱ること
身施(しんせ)...自分の身体を使って他人に奉仕すること
心施(しんせ)...心くばり、気くばり、思いやりの気持ちを持つこと
床座施(しょうざせ)...自分の持っている席、空間、自分の地位なども含めて誰かに譲っていくこと
房舎施(ぼうしゃせ)...自分の部屋や家、車など、その席を誰かに提供すること(宿を提供するなど)

私自身が特に心掛けていることがこの眼施・和顔施です。

与えるということは素晴らしいことです。以前は「他人に与える」ことに焦点を当てて理解していたこの言葉ですが、最近は逆の解釈で理解しています。

まず「自分に与える」ことを優先する。自分が自分に与えていないものは、他人にも与えることはできません。ですからまずは自分に対して温かく優しい眼差しを向けること、優しい言葉を掛けること。まずは自分のカップを自分で満たすこと。そして溢れた分を他人のカップに注ぐこと。
様々な関係において持続的にハッピーでいられるヒケツなのだろうと思います。

そして、自分に与える為には自分の心の声に耳を澄ますこと。
私個人の体験ですがコーチングに出会ってから自分の事をもっと好きになりました。
自分の中にある自分だけの正解を知って、活き活きと生きる選択をする人が増えている気がします。

もうひとつ、私の好きなマザーテレサの言葉です。

 

思考に気を付けなさい。それはいつか言葉になるから。
言葉に気をつけなさい。それはいつか行動になるから。
行動に気をつけなさい。それはいつか習慣になるから。
習慣に気をつけなさい。それはいつか性格になるから。
性格に気をつけなさい。それはいつか運命になるから。

 

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